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夏の日の香り ハゼとズガニ
JUGEMテーマ:グルメ
夏休みのお盆に海の側の祖母の家に遊びに行くのが楽しみだった。祖母の家のすぐ裏には、あまり大きくない川が大きな湾に流れ込む河口に水門があり、沢山の海苔漁師の小さな船が係留されている。その場所は潮の満干によって、淡水と海水が入り交じる汽水域になっている。 祖母の家に着いたとたん、庭の納屋に置いてある延べ竿を引っぱり出して、ブリキのバケツに餌箱を放り込んで、急いで裏の川に駆け出て行く。護岸の海藻で滑らないように、牡蠣殻やフジツボで足をけがしないように気を付けつつ、気持ちは早く早くと仕掛けをこしらえ、暴れるゴカイを釣針に、そうしてゆっくりと流れる川にウキを浮かべる。すると、すぐさまウキは水の中に沈み込み、同時に竿を上げると、プルプルと尾を振りながら可愛らしいハゼが繰り返しあがってくる。 いくらか夜のおかずを子供なりに確保した満足感に満たされると、次は足もとの小岩をひっくり返し、そこに隠れているズガニやイシガニを探しまわってあちこち駆け回っているうちにすぐに日が暮れてしまうのである。 結局のところ、海苔で滑って泥だらけ、牡蠣殻で擦り傷だらけ。土間のすぐ横の台所にそのまま駆け込んで、ハゼや小さなズガニやイシガニを天ぷらや唐揚げにしてもらう。天ぷらを揚げる良い香りと蚊取り線香の香りが混ざり合う。そんな香りは私のとても懐かしい思い出である。 |
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